ikegawa-yachtのブログ

ヨット屋のブログです。
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自分の「花丸」に乗って遊んだりします。

船台-2



「KAZAHAYA」の船台積層


合板で出来たコンテナ輸送用の船台を積層


日本に来てからマリーナ船台の船に当たる部分として使えるように
カット線が引いてあった部分を正確にカット


船のセンターラインを引いてくれていないので
右舷側を何所でカットして良いか解らなかったが多少大きめにカット
実際に船を載せてみてセンターを知るしか方法は無いだろう


ガラスマットを裁断してビニエステル樹脂で積層を始める


合板の木口を完全に覆う積層をしないといけないので角のRを大きく取り
木口部分にはビニエステルパテを付けてから積層を開始する

船台



「KAZAHAYA」がコンテナーに入っていた時に
船体を斜めに固定する為に乗っていた船台を使って
マリーナに置くため船台の船体に当たる部分を作る事になった


イタリアでこの斜め船台を作る時から水平にした時のカット線を入れてもらっており
それをカットして整形しガラスマットをビニエステル樹脂で巻くという仕事


船体に接する部分も合板を積層接着して作ってある
と言う事は全て木の部分はエポキシを塗ってあると言うことだろう


カットしたら全面サンディングしてエポキシを落とさないとビニエステルの積層は出来ない


エポキシ樹脂の上にポリエステル樹脂やビニエステル樹脂は接着出来ない
不思議なことにその反対はO.Kなのである


問題は合板の木口である
木口の部分に雨水が染みこまなければ海外の耐水合板は圧倒的に長持ちする


カット・サンディングが終わったら木口の処理から仕事を始める

サバニ船型?



イタリアから来た木造艇「KAZAHAYA」はどうもサバニ船型のようです


日本で木造艇設計をされた横山晃さんと言う設計者が
長年ヨットの設計に携わって最後にたどり着きサバニ船型と名付けた設計によく似ています


その最大の特徴として言われていたのが
水線下の形状です


船首から2/3の所に一番深い部分があり
そこから後ろは素直な形で船尾へというのがサバニ船型の特徴だそうです


ヨットは風に押されて走っていると考えがちですが
実は風が帆に当たって流れる時に 起きる揚力によって引っ張られて走っています
丁度飛行機を半分に切って翼を垂直に立てたと考えてみて下さい


浮いている物を中央より少し前で引っ張るとその形によって
クルクル進路が決まらない物や安定して引ける形の物があります
後ろに前より大きな抵抗があると安定すると考えられます


「KAZAHAYA」は下に入って上を見上げると
船首部分の接水面積が非常に小さく船尾に行くにしたがって大きくなっているのが解ります